Creature Comforts

慢性的中二病

日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)

日本のアニメカルチャーの海外各国での盛況ぶりをレポートしている書。前編にわたってかたられているのは、「日本のアニメカルチャーは多くの国で絶賛されている」にも関わらず、「そのことを日本人はあまり知らない」ということだ。日本製品としてこうした現象をビジネスチャンスと捉えて、政治から戦略的に売り込んでいくべきである、というのと、さらにこうしたアニメの創作活動に関わる人たちの地位向上を訴えている。おそらく前者ができたら付随して後者も達成されていくことになるのだろう。

本書を読んでて思ったのは、こうした日本のアニメの文化は世界を平和にしているんだな、ということ。本書の中で極端な例があったが、未成年がアニメでお金を買うために、麻薬を買う余裕がなくなるというものがあった。全てここまでうまくいくとは思わないけど、確実に外国の人にもいい影響を与えているんだと胸を張っていいと思う。

以下メモ:

  • 日本のアニメ・マンガを紹介するイベントで、来場者1万人が越えるものも珍しくない。10万人規模のものもある。
  • 世界では、アニメ・マンガといったものとカワイイ系ファッションの間に溝がない。つまり日本では区別されているサブカルチャーの発信地、秋葉原と原宿が同時におこなわれている。
  • 「ある部分だけみれば、(アニメ・マンガ中に)戦争や暴力の描写があるのも事実だが、全体を通して日本のアニメほど平和や闘うことの無意味さを説いているものはない」
  • 「アニメーションは子供がみるもの」と概念を払拭した作品を作り続けている日本こそが、「アニメーションは子供がみるもの」という呪縛に囚われ続けているのではないか