福田 靖『龍馬伝 III』

龍馬伝 III

三巻目読了。２巻目まではどうしても主役になりきれなかった坂本龍馬がおそらく一番活躍する巻ではないだろうか。薩長同盟という一大大仕事や、りょうとの結婚、新婚旅行などの主役的イベントが目白押しである。

余談ではあるが、私は２巻の最後の武市半平太の最後の描き方がとても大好きだった。一途なまでに山内容堂を慕い、彼のために働き、しかしその山内によって罪人として捕らわれてしまった。それにもかかわらず、山内に認められえたことに満足したまま喜んで切腹を受け入れた。くそまじめで一途で狂信者としての武市の一貫性を見事に貫いて散らせた。

それと比べてしまうと龍馬にはちょっとムラが出てしまうことは否めない。嫌いではないが、やはり武市の描写がすごすぎて色あせてしまうのだ。