Creature Comforts

慢性的中二病

黄金を抱いて翔べ

幸田は大学時代の友人、北川から大阪市の住田銀行本店地下にあるという240億円相当の金塊強奪計画を持ちかけられる。メンバーは他にSEの野田、爆破工作のエキスパートで国家スパイの裏を持つモモ、北川の弟・春樹、元エレベーター技師のじいちゃん。しかし、計画の過程で謎の事件が次々と発生。そこにはお互い知らない、それぞれの過去が複雑に絡み合っていた。そしてついに決行の日、「黄金」に全てを賭けた男たちの運命は…。

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD21586/index.html

ディテールにこだわる井筒さんの映画がここにあり、という感じでした。いやー引き込まれました。

なにをとっても満足の映画でした。まずは役者陣、一番目を引いたのは役者陣のマッチ感。すべての役がすべてのキャラクタにマッチしている。特に気に入ったのは桐谷健太さんですね。すごいムードメーカーと思わせておきながら実は超小心者、いるいるこういう奴。そしてストーリーもテンポよく、最後までハラハラさせられっぱなしでした。

さぁ、そしてなにをいってもはずせないのが細かい演出。ストーリーには必要ないけど、リアリティをより狭いアパートの隣の部屋から漏れてくるテレビの音、特にジャパネットタカタの声が漏れるあたりはなにか既視感があります。銃声を聞いて顔をのぞかせるおばちゃん。銃で撃たれた時の苦しみ方、モルヒネが切れたときの痛がりかた。そして首を吊った死体の失禁等、実は多くの映画でおこなわれていない当たり前の演出がきちっとなされている辺りに井筒さんの美学を感じずにはいられませんでした。

ひとつだけ、つつくとすると、 溝端淳平演じる北川春樹の死亡(怪我?)理由がいまいち分かりませんでした。ん?どうしてこうなった?という感じ。理解力がないのか見逃していたのか・・・。

しかしながら、とても完成度が高い映画として評価できる作品だと思っています。