リンカーン (ネタばれ注意)
見るのがとってもシンドイ映画だったです。歴史の教科書を読んでいるのを聞いているような。
歴史の知識が足りないという指摘はその通りだと思います。南北戦争とリンカーンは中学校で習ったのを覚えているぐらいなもんです。
その分を大きく差し引いてもこの話は映画としてはダメな気がします。あまりにも淡々と話をすすめすぎでしょう。その淡々の理由は主役のリンカーンにあるかと思います。彼の奴隷解放の熱意がどんな動機によるものなのかがまったくわからない。「奴隷制度はイクナイ!」という至極まっとうな正義感のみでそれを描こうとしているのでしょうか。それがまったくわからないままなので13条の法律が通った際にもなんの感情移入もできないです。彼の動機が少しでも読み取れればもっと身をいれて鑑賞できたと思います。非常に残念です。
細かいシーンで言うとなんでリンカーン暗殺というクライマックスを描画しなかったのでしょうか。あのような報告の描画がなにか効果をあげているとも考えられず・・・。
スピルバーグ的にはこの歴史的な奴隷解放の裏にある工作行為をリアルに再現しようとしている、という印象はつかめましたが、これは映画の醍醐味を根こそぎそぎ落としたものになっているかと思います。私も早く解放されたくてしかたありませんでした。
今年見た映画でもワーストの部類にはいる印象でした。